辞表を手にして「会社を辞めたいです」と切り出し、それに対して「はい、お疲れ様でした」とすんなり会社に認めてもらえて仕事を辞めることができたらどんなに楽でしょう。
しかし現実はそのようなことは非常に稀なケースです。辞めたいという意思を伝えても認めてもらえずいつまでも働かされる人もいれば、辞めるために上司と衝突して辞めるという人もいるでしょう。
実は円満退社というのはそう簡単なことではないのです。なぜ難しいのか、それは辞める側には不満があって辞めるからです。
会社に伝える退職理由というのはほとんどが建前で本音ではありません。本音を言えばトラブルになることが分かっているからです。
しかしその建前も今では受け入れられなくなってきています。ではどうすれば会社側とトラブルを起こす事なく円満に退社することができるのでしょうか。
建前として必死に考えた退職理由を否定されてしまったり、受け入れてもらえなかったり、あるいは改善するから辞めないでくれと言われてしまうとその後はもう「辞めたいです」なんて言えなくなってしまいます。
こういった事態にならないためにもある程度の対策を練っておくことが重要です。
辞めたい本当の理由とそれをバレないように円満に退社するための建前、そして改善策を出されたとしてもそれを受け入れずに辞めるためには何と言えば良いのかという様々なパターンを考えてみましょう。
その場で考えたようなことを口走ってしまうと、どこかで矛盾が生じてしまう可能性があります。それでは嘘がバレてしまい、気を遣って言ったつもりの嘘でもトラブルに発展してしまう恐れがあります。
そうならないためには嘘であることがバレるようではいけません。とってつけた理由ではなく、きちんと筋が通るような理由を考えて話を通すようにすれば、会社側は受け入れるしかないと諦めてくれるでしょう。
まずはどうして辞めたいのかという本音を自分の中でブレないように確立し、退職を実現させるために必要な建前を考えていきましょう。
会社を辞める本音の理由はさまざま
会社を辞めたいと思う理由は人によって様々ですが、共通して言えることは「不満があるから」です。例えば
- 人間関係に耐えることができない、
- 仕事がきつい、
- 給料が安い、
- 子育てとの両立が厳しい
などがよく耳にする会社に対する不満です。もちろん多少なりとも会社に不満を抱きながら働いている人が多いのが現状であり、何の不満もなく働いている人というのは少数派でしょう。
しかし退職まで考えるということは、その現状にすでに耐えられない状況になっているということです。我慢ではもうどうにもならない、我慢するだけ時間と労力の無駄だと感じているからこそ退職を考えているのです。
これらの不満は会社に相談をして解決してもらうことが可能なものもありますし、解決してもらうことができないものもあります。
しかし自分の不満を会社に言って会社に改善してもらうというのは一種の「甘え」ととらえられてしまう場合があります。「あの人はわがままを言っている」というような目で見られるようになり、会社での評価も下がってしまいます。
人間関係に耐えられないから異動を願い出れば「協調性がない」という風に思われ、仕事がきついと言えば「忍耐力がない」と思われ、給料が安いと言えば「給料を上げるほどの働きも見せていないのに」と思われ、子育てとの両立が厳しいと言えば「出産を機に辞めればよかったじゃないか」と思われます。
つまり自分の不満はすべて不評につながるということです。一度こういう経験をしてしまうと、会社にいづらくなってしまったり今後正当な評価をしてもらえなくなってしまう可能性があります。もちろん不満なんて今後聞く耳を持ってくれないでしょう。
そうなってしまえばその職場に何年も勤務するのがつらくなってしまいます。辞めたいという気持ちにシフトしてもおかしくはないでしょう。辞めたい理由は人それぞれ違うのですべてに対応することは難しいものです。どのような理由であれ、その人が辞めたいと思えばそれが間違っているということにはなりません。
本音と建て前は違う
退職時はもちろんのこと、転職の面接時などにおいても会社に対する不満というのは口にしてはなりません。本当は不満をすべて会社に言ってすっきりした状態で辞めてしまいたい気持ちもあるのですが、それをしないのが大人です。会社側が間違っていることもあるのになぜ建前を貫かなければならないのか、それは残された人々のためです。
退職後は会うこともないしという気持ちで万が一不満をすべてぶちまけた状態で退職したとしましょう。そうすれば残された人々はどうなるのでしょうか。可愛がってくれた先輩は上司から「お前の教育のせいだ」と怒られるかもしれません。仲のいい人であっても退職後は会いづらくなってしまうかもしれません。
自分が抱いていた不満を会社に伝えるということは自分の立場を悪くするだけではなく周りの人々の立場も悪くすることになるのです。
こういった事態を避けるためにも建前は非常に大切です。会社側に「そういった理由であれば退職しても仕方がない」と思わせるような理由を考える必要があるのです。
会社側が断りにくい退職理由としてあげられるのがまず「結婚」です。
いわゆる寿退社です。おめでたいことですし「相手側から結婚後は家庭に入るように言われている」や「実家がある田舎に帰らなければならない」などの理由を言えば会社側も応じるしかなくなります。辞める側としても退職理由としては言いやすいので円満退社をしやすいでしょう。
次に「家庭の事情」です。例えば実家の両親の介護をしなければならないので勤務時間を調整しやすい仕事にかわりたいという希望や、引越しを余儀なくされているなどの理由を言うと良いでしょう。
いくら家庭の事情だからと言っても生活していけるだけの給料がないというような言い方はしないよう注意しましょう。多少の不満を交えながら仕方ない理由に持っていきやすいのがこの家庭の事情ですが、言い方次第ではトラブルを招いてしまう恐れがあるので注意が必要です。
人間関係は本音でぶつかり合うのが好ましいのですが、どの場面でもそれが適応するとは限りません。特に会社絡みの場合には本音ではなく建前で対応するようにしましょう。
「一身上の都合により退職」は十分理由になります
どうして会社を辞めたいのかという本音の理由ははっきりと分かっているのに、どうすれば辞めることができるのか分からない、建前が思い浮かばないという場合もあるでしょう。
1を言えば10で返してくる上司などたくさんいます。すんなりと退職を認めてくれれば問題はないのですが、そんな心優しい人は多くはないでしょう。
では建前すら通用しない場合にはどうやって辞める方向に持っていけばいいのか、そこで便利な言葉が「一身上の都合により退職」です。
つまり、雇用者側の都合によって退職を希望するのであり、会社都合ではありませんという意味を指します。実はこれだけでも退職するためには十分な理由になるのです。
なぜ退職したいのかということはどこの会社でも聞いてくることでしょう。しかしそれに正直に答える必要はないのです。
建前であっても受け入れてくれる人であれば言っても良いのですが、何を言っても聞いてくれないだろうという相手であればたとえ建前であってもトラブルに発展してしまう可能性があります。
それを避けるために「一身上の都合です」とだけ答えれば相手は何も言えなくなります。
雇用者には職業選択の自由が憲法で認められています。採用された会社で長年働くことも、見限って他の会社に転職することも雇用者の自由なのです。
それなのに退職を認めないなどという行為は憲法違反になり、無理に退職理由を詮索するようであれば人権侵害にあたります。つまり、雇用者には憲法という強い味方がいるのです。
会社からすれば退職を希望されるというのは一種の裏切り行為のようなものに感じるでしょう。内容によっては腹を立てる上司がいてもおかしくはありません。しかしいろんな考えを持ついろんな人間がいるのが社会です。
全てを認めることができなくて当たり前なのです。だからと言って上司は部下を支配下におけるかといえば違います。どのような立場の人間であれ人権というものがあります。
上の立場だからと言ってなんでも思い通りにしようとすれば法にふれてしまう恐れがあるので、雇用者は自分の立場を堂々と主張すれば良いのです。
本当の理由は会社の人には言わないのが鉄則!
会社に対する不満は人それぞれ異なりますが、大体仕事、組織、待遇の3つが理由として大きな柱となっています。誰かに相談をしてすぐに解決するようなものであれば気が楽なのですが、実はそう簡単なものではありません。
改善すると言われても長期的なものであれば、不満を抱いている側からすれば絶望にも等しいものがあります。不満はストレスとなって蓄積され、それを発散させるために同じ会社の人に愚痴をもらす人も多いでしょう。
それは共感を得やすいからです。他の仕事をしている人には「この人の態度が気に食わなくて」なんて言ってもその人を知らないので共感してあげることができません。
共感してもらえないことによって相談者は鬱憤を晴らすことができずストレスの発散にもなりません。そのため愚痴の対象となる人間が分かる同じ職場の人を相談相手に選んでしまいがちです。
ですがそれは決しておすすめできることではありません。
愚痴を言いながらも一生その会社で働くという意思があるのであれば話は別なのですが、退職と言う言葉が少しでも脳裏にあるのであれば何かのきっかけに退職を選んでしまう可能性があります。そうなっては退職後に職場の人々と顔を合わせづらくなってしまいます。
また日常的にもらしていた愚痴というのは社内でも噂として広がってしまうことがあります。
「あの人は上司のことが苦手だ」や「前にこんな不満を言っていた」などが噂として広まってしまえば、たとえ円満退社を目指して建前の理由を伝えたとしてもすぐに嘘だとバレてしまいますし、ケンカ別れの原因にもなってしまいます。
世間は狭いので、たとえ退社して関わりがなくなったと思ってもいつどこでまたつながりを持つか分かりません。将来のことを考えても、ひとまずは円満退社を最優先に考えることが重要です。
それを実現させるためには退職したい本当の理由を会社の人には決して言わない、もっと言うなれば退職に結びつくような決定的な愚痴も会社の人には言わないようにするのが安全だと言えるでしょう。
会社を辞める時は後悔のないようにじっくり考えよう!
当然の事ですが会社を辞めるのであれば悩みに悩み抜いた結果としましょう。上司に怒られた、先輩に嫌なことを言われたなどの理由が退職理由となっても良いのですが「辞めたい」という意思が本当に一時的なものではないかどうかというのはすぐには答えは出ません。
一時的な感情で退職してしまうと、後々後悔に結びついてしまいます。「もう少し頑張れたのではないか」や「もっと他のやり方があったのでは」などの後悔をしても、退職してしまってからでは遅いのです。
特に精神的に未熟な20代の若者たちはこういったケースが多い傾向にあります。少しでも退職したい、辞めたいと思うようになったらい、まずはそれが一時的な感情かどうかを考えてみましょう。
そして少しでも職場のいいところを見つけるようにします。
- 残業時間が多いけれどきちんと残業代はくれる、
- 嫌味を言う上司はいるが周りの先輩は優しい、
- 仕事量が多くて大変だがお客さんから感謝されたときは嬉しい
など、嫌な面もあるけれどいい面もあるという状態であれば決して辞めるべきではありません。
時折辞めたい衝動にかられたとしてもそれは一時的なものだからです。
どんなにいい職場を追い求めたとしても、100点満点で何の不満もないような完璧な会社など存在しません。働いていれば誰もが多少なりとも不満を抱いています。
程度問題ではありますが、どこまでが許容範囲かというのには個人差がありますし、他人とはかることができるものではありません。この辺りをしっかりと頭に入れて考えることが大切です。
万が一いいところが1つも見つけられない、辞めたい気持ちが強すぎて食事ものどを通らないというような心も体も壊してしまうような状態になりそうだという危機感を抱いたのであれば、迷わず退職をするようにしましょう。
仕事を続けるかどうかを決めるのは他の誰でもなく本人ただ1人です。誰に何と言われても気持ちは変わらない、何年経っても後悔はしないという確信があるのであれば、会社を辞めることで自分のためになる新しい道を開くことができます。
20代が転職する理由
20代の転職者は3割、約400万人と非常に多くなっています。では20代の社会人が転職する理由とはなんなのでしょうか。
また転職した時の理由を正直に伝えることは、転職に不利に働くと考えている方も居るかもしれません。ですが、面接では転職の理由を上手に伝えることで、面接官の心証を良くすることもできます。
良かった点としては若さとやる気を重視してもらえ、転職先の社風に染まりやすいことや基本的なビジネスマナーが身についているため企業が助かること。また未経験業種や職種への転職がしやすいことです。
26歳で転職を経験した方
引用:転職サイト比較ランキング
まずは20代が転職する理由から見てみましょう。
もっと高い給料が欲しい
今の職の給料に満足できず、今よりも高い給料が欲しいと考えている方は多いようです。仕事はお金を稼ぐために行っている方も多いため、当然と言えば当然の理由でしょう。
しかし日本は年功序列で給料が高くなっていく企業が多く、長く務めることで高い給与が貰えることが多いため、転職を繰り返すともらえる給与もずっと低いままです。
また求人に書かれている給与が高く、なおかつ未経験歓迎やキャリアが必要ではない求人の場合、その企業はブラック企業である可能性が非常に高いです。ブラック企業に入社したことですぐに転職…では転職に成功したとは言えません。
高い給料をもらうためには、1つの仕事を長く続けたり、企業にとって有用なスキルやキャリアを持っている必要があることを覚えておきましょう。
自分の時間を作りたい
残業が多い、休暇が少ないなどの理由で自分の時間が作れず、自由に使える時間を作るために転職する方も居ます。求人には残業の時間や休暇の制度、有給の消化率などが掲載されているのがほとんどです。
ですが実際に入社してみると、求人以上の残業時間であったり、有給が全く承認されないなど、求人と条件が違うことがままあります。
求人からは見えてこない情報であるため、リサーチするのは難しいですが、口コミサイトや転職サイトを利用すれば、そういった情報も集めやすくなります。
転職サイトは転職マニアで詳しく解説している記事があるので、こちらを参考に自分に合った転職サイトを見つけてみてください。
自分のやりたい仕事がしたい
新卒で入社したものの、自分のやりたい仕事に就きたい気持ちが強くなるのが、20代の転職者に多いとされています。ただ自分がやりたい仕事だからといって、必ずしも仕事として続けられるものだとは限りません。
自分がやりたいことよりも、自分のできることが仕事として評価されることもあるため、本当に自分のやりたいことが仕事としてできるのかどうかを考えるようにしましょう。
どうしてもやりたい仕事であれば、20代のうちにお金を貯めながらスキルを磨いてからでも遅くありません。
自分がやりたいことをするか、そのための準備をするか、優先すべきポイントを見極めながら転職活動を進めましょう。
もっとスキルを磨きたい
今持っているスキルをより良いものにするために、さらにスキルを磨ける企業に就きたいという方も居るでしょう。
自分が持っているスキルを磨くということは、前職でのスキルが転職先の企業でも活かせるということになります。
向上心のある転職理由としての面接官の受けもよく、転職でも有利に働きます。ポジティブな理由は転職でも有利に働きますので、積極的に転職の武器にしてください。
ステップアップしたい
更なるキャリア形成を目指し、さらに上の企業を目指して転職したい方も多いのではないのでしょうか。キャリアのステップアップも前職での経験を活かせるポジティブな理由であるため、面接官からの受けもよく、転職の武器になる理由です。
加えてキャリアを高めることによって、より高い給与を得ることも夢ではありません。20代のうちからキャリアを形成するのは将来にも役立つので、理想のキャリアを形成できる企業には積極的にチャレンジしていくこと良いでしょう。
転職理由は面接で伝えるべき?
転職理由は面接で必ず指摘されます。それが例えネガティブな理由であれ、転職理由は正直に伝えた方が良いのでしょうか。
正直に理由を伝えた方が良い
転職回数が多いことや、ネガティブな理由で転職したこと…面接の際に面接官に伝えたくない理由で転職を志しても、転職理由は正直に伝えるべきです。
面接で嘘をつくのは、バレた時の面接官への心証を悪くし、転職を大きく不利にしてしまいます。
嘘をついても指摘される
転職理由で嘘をついても、バレなければ良いと考えている方も居るかもしれません。しかし面接官は何人もの転職者を見てきてプロで、特に必ず聞く転職理由に関しては、違和感があれば深く掘り下げてきます。
嘘の転職理由を深く掘り下げられてしまうと、その場でバレる、もしくは嘘を突き通せても違和感が面接官に伝わってしまいます。これではその企業に転職するのは難しいでしょう。
それならば最初から正直に転職理由を話した方が、面接官の心証を最低限の所まで留めることができるのです。
少しでも心証を良くするならポジティブに変換する
転職理由で嘘をつくのは良くありませんが、ポジティブに変換することにはなんの問題もありません。
例えば給与を上げたいから転職したい場合。給与を上げたいということだけを伝えるのではなく「給与とキャリアアップを図り、企業内でより活躍できるように頑張る」と伝えれば面接官の心証も良くなるでしょう。
このように嘘はつかなくとも、ネガティブな転職理由をポジティブな転職理由に変換することはできます。ネガティブなことも上手に武器にして、転職活動を自分にとって有利なものにしていきましょう。
未経験でも大丈夫!どんな転職理由でも就きやすい業種
未経験であったり、ネガティブな転職理由でも就きやすい業種があります。転職を成功させたい、新しい業種に挑戦したいという方は参考にしてみて下さい。
介護職
介護職は現在人手不足が深刻であり、どの企業や施設でも多くの人材を求めています。未経験でも転職できる業種の1つで、働きながら介護士の資格を得れば、より高い給与を獲得することもできます。
社会人経験に長いブランクがあるなど、転職において大きな不利になる理由を持つ方でも挑戦できる業種と言えるでしょう。
システムエンジニア
システムエンジニアはインターネットが発達した今の社会で、需要が拡大している仕事の1つです。企業の情報管理やインターネットサイトの作成などが主な業務で、パソコンの操作技術やプログラミングの知識を必要とします。
需要が拡大している仕事というだけあって、プログラミングに関する知識は書籍やインターネット、講座などで学ぶことが可能です。20代であればそのスキルを磨いてから活躍することも十分できるため、転職の選択肢として入れておくのも良いでしょう。
事務職
事務職は基本的に企業内のデータや入出金の管理、電話応対や来客の対応などを行う仕事です。
事務職が転職しやすい理由は、どの企業にも欠かせない仕事であり、パソコンの操作ができて、ある程度のコミュニケーション能力があれば未経験でも転職できる可能性がある点です。
必要なスキルがある程度共通しており、あとは企業や業種のなかで必要な知識さえ身に着ければ仕事としてしっかり成立させることができます。
また事務も簿記や会計士などの資格を取得することで給与アップやキャリア形成が図れるため、未経験でも活躍できるの可能性のある職種と言えるでしょう。
40代ホンネで語った4つの転職理由
40代で転職にはそれ相応の理由があるものです。
一般的に40代の転職は厳しいと言われますから、その場所に飛び込んでいくということはそれなりの理由があって当然のことです。
しかしホンネの転職理由と表向きな転職理由は分けて考えなければなりません。
ただ企業の面接シーンを見ると、人事担当の巧みなトークにハマってしまい、ついホンネを語ってしまうことがあるようです。
以下の記事を読んで、転職理由には十分注意するようにしましょう。
・仕事内容や評価に満足いかなかった
・人間関係がうまくいかなかった
・どうしても叶えたい仕事や夢があった
・親の介護や家族の健康状態に変化があった
40代で転職した人にその理由をお聞きすると、おおむねこの4つが当てはまることが分かります。どのような内容なのか見ていきましょう。
仕事内容や評価に満足いかなかった
・どれだけ成果をあげても自分が希望する部署にいつまでも異動することができない
・十分な成果をあげているにも関わらず、自分の評価があがらず給料に反映されない
・自分よりもスキルや成果の低い職員が評価されて、昇進してしまった
40代の転職理由にもっとも多いものが、仕事内容や条件、評価によるものです。
40代にもなると企業ではかなりのベテランとして一目置かれるようになりますが、自分自身が経験してきた業務やそのスキルによってプライドも大きくなります。
しかしそのプライドと反して、会社から思うような評価がない場合は、どうしても仕事に対するモチベーションが下がってしまい転職を決意するようになってしまいます。
40代であればまだ会社に10年~20年程度は所属することになります。その期間を我慢して過ごすのであれば、新天地で自分のスキルを活かして活躍したいと考えるのです。
人間関係がうまくいかなかった
・上司などと業務のことで意見が折り合わない
・職場の人間関係でどうしてもうまくいかない
・中間管理職となり板挟み状態となって、うまく業務をまわせないようになった
職場での人間関係も多くの人が抱える悩みであり、どうしても我慢ならないということになれば転職を決意させるものになります。
自分自身のスキルが高く、仕事に対してプライドを持って取り組んできた人の中には、企業の業務に対する姿勢が許せないということもあります。
利益を追求するのか、顧客を大事にするのかなど、どこに経営方針を置いておくのかによって、仕事に対するモチベーションも大きく変わります。
そのような理由により経営陣との意見のすり合わせができず、退職を余儀なくされたという人も多くおられます。
また職場には人の邪魔をしてきたり、イジメを仕掛けてくるようなこともあるでしょう。仕事ではなく、人間関係の悩みが大きくなると、なぜここで働いているのかと自問自答することも少なくありません。
中間管理職としての立場に耐えられなくなったという人もおられます。どうしても板挟みになってしまいがちで、味方が誰なのか分からなくなり、誰も信用できなくなってしまうのです。
どうしても叶えたい仕事や夢があった
・職場や人間関係は悪くないが、どうしてもやりたい仕事がある
・昔から叶えたかった夢がある
・今決断しないといつまでも自分のしたいことができない
長く仕事をしてきて、本当は別のことがしたかったということもあるでしょう。でも家族のことを考えれば、その夢を追いかけることができなかったということもあるかもしれません。
ある意味、40代というのは自分の夢や希望をかなえる最後のチャンスのときかもしれません。
まだ新しいフィールドで頑張っていけるバイタリティもありますし、積み重ねてきたスキルも大きな武器になるからです。
親の介護や家族の健康状態に変化があった
・親が年老いて、介護や支援が必要となり同居することになった
・妻が精神疾患になり、今までのように仕事で家をあけることが難しくなった
・自分自身の体調を崩してしまい、今までの仕事をやる自信がなくなった
どうしても年齢を重ねると、親や家族の身体が衰えてきたり、病気になってしまうことがあります。
特に自分自身が40代になると、親はそろそろ介護が必要になることもあります。高齢の親だけで暮らすことが困難になって、同居しなければならないことも少なくないでしょう。
また40代となると更年期障害が始まる時期でもありますので、奥様が体調を崩してしまうこともあります。
家族だけではなく自分自身が何かしらの疾患によって、今までどおりに働けなくなることもあるでしょう。そのような場合には、働く自信すらなくなってしまうこともあるのです。
面接での転職理由「不満」は失敗のもと
「不満」を転職理由として、絶対に面接時に言ってはなりません。仮にその内容が本当だとしても、人事担当者がそれを聞いて良い気分になるはずはありません。
むしろ
「また不満を言って辞めるのでは?」
と考えるものです。
例えば人間関係が不満で退職したといった場合、
「むしろ人間関係の輪を見だしたのはあなたなのでは?」
と思われてしまうこともあります。
希望する部署で働くことができなかったといった場合であれば、
「あなたのスキルが低かったのでは?」
「やりたいことだけしかやらない」
「希望が通らなければまたすぐに辞めてしまう」
このようなイメージを持たれてしまうかもしれません。
ホンネの退職理由は先ほどから述べた4つのポイントに含まれるものがほとんどになりますが、転職時に面接で述べる転職理由については「ホンネとタテマエ」があるのはみなさんも理解しておいてください。
面接で成功する転職理由~3つのポイントとは
・仕事のやりがいを求めて
・評価に見合った待遇を求めて
・自身の状況にあった条件を求めて
基本的にはホンネの転職理由をすべてポジティブに言いかえることがベストでしょう。
まったくウソのことを言ってしまうと、やはり採用のプロの目から見ればバレテしまう可能性があります。ホンネをポジティブに言い換えるのであれば、それはあくまでホンネですから問題なく伝えることができるはずです。
仕事のやりがいを求めて
「仕事内容に満足いかなかった」
ということであれば、「仕事のやりがい」「キャリアアップ」を理由に転職を希望しているということが言えるのではないでしょうか。
自分のスキルを存分に発揮したいということであれば、ポジティブな意見ですので人事担当者に対して良い印象を与えることができます。
ただしただ単に仕事のやりがいを求めていると答えてしまうと、どのように自分自身の能力を発揮していくつもりなのか具体的に求められることも考えられます。
ここで明確に答えられないければ、「仕事に不満があったから退職したんだろう」と見抜かれてしまうことになるので注意しておきましょう。
評価に見合った待遇を求めて
「職場の評価に不満が合った」「給料に不満があった」
ということであれば、「適正に評価してくれる職場を求めて」「評価に見合った待遇を求めて」と言い換えることができるのではないでしょうか。
ただし評価に見合った待遇を求めているということは、かなり自分自身のスキルに自信がある表現になります。
前職で自分自身が取り組んできた業務内容や評価されるべき経験について、具体的に答えられるようにしておかねばなりません。
自身の状況にあった条件を求めて
親の介護や家族の病気などによる転職の場合、その理由自体がマイナスイメージを持つものではありません。家庭の事情があっても気持ち良く働くためには、どのような条件が必要になるのかはっきりと述べることがいいでしょう。
理由を隠す必要はありませんし、むしろその状況を認めてもらって働くほうが、何かの際には考慮してもらうこともできるかもしれません。
ただしそれらを理由として前職の対する不満につながるような内容を伝えてしまうことはマイナスイメージとなってしまいます。
企業としては、それらの状況があっても働き続けることが出来るのかどうかが気になるところなのです。